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MBAおじさんのマーケティング⑩の巻

メリクリ!今日は今から指導教官と打合せです!さてさて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑩⑪⑫
3.CUUSOO SYSTEM社 取締役会長 N山氏
テーマ:ユーザーのリクエストを集めて事業化
 1)学び:CUUSOOの事業モデルでは起点をユーザーに置き、ある商品を売り出す前にその商品のニーズ(予定販売数)を事前に把握してから商品開発をするので、メーカーとして在庫を持つ必要がない。事業展開のためのアイディアをWEB上で集め、それをサプライヤー側でコスト見積もりし、損益分岐点を越えるときだけ製品化する。
 2)気づき:インターネットの発達により、製品開発前に精度のよい需要予測情報を得ることができるようになり、CUUSOOの様なビジネスモデルは今後も増えると思われる。ただ、事の本質は「よりよいものを売る」ことである。「需要予測」が目的ではない。LEGOの事例などでも、顧客が欲しいと思うような魅力ある製品を考え出すことが肝であり、それがなければ需要予測を行っても意味がないのである。CUUSOOはこうした魅力アイディアを発掘することにもインターネットを活用しており、これまででは考え付かなかった様な斬新なものを生み出す可能性が高い。ものづくりのインプットであるアイディア想起と、アウトプットである製品販売のルートをインターネットを使うことによって著しく拡大できている。単なるIT企業ではなくものづくりを強化する仕組みとしても有効だと気づいた。
 3)学び:LEGOしんかい6500モデルの事例:あるユーザー提案した「しんかい」のモデルを1000台販売する約束をとりつけ、実際に販売したところヒットした。その後、海外向けに同じ予約注文型を売り出したが、その際はFBやツイッターなどSNSを使い飛躍的に数字を伸ばした。さらに、英語にした瞬間に取り扱い数が爆発的に伸びる。
 4)気づき:ネット販売によるビジネスが普及しはじめてから久しいが、日本のB to Cネット販売で、世界に眼を向けている企業は限定的だろう。日本でも売れる商品には世界に通用する素質を備えている可能性を持ち、市場を簡単に拡大できるインターネットビジネスのプラットフォームを使えば「しんかい」の例の様に販売数を劇的に伸ばすことができるはずだ。それが普及していない理由は、英語サイトの構築とメンテナンス、英語による顧客対応能力の限界などが考えられるが、N山会長がおっしゃっていた様に「シンプルな」英語表現などで対応することでハードルを下げて導入を考えることができるだろう。また、物流や関税の問題も考える必要がある。いいものを作って、インターネットで顧客と結びつけ、需要を喚起することは可能だが、実際に海外にものを届けるためには国際物流の仕組みをよく考える必要があるだろう、と気づいた。
 5)学び:15年間、日本で展開をしたあとLEGOマイクラフトで会員数が増えた。そのとき伸びたのが海外のユーザーであった。この背景は、SNSにはシングルバイト(英語等)言語が合うことがある。インドネシアは世界一のFB普及率であり、利用者は英語で使っている。現在のビジネスにおいて「英語が強い」理由は、富裕層が使う、からではなく、FBを使って取引が多いからである。
 6)気づき:上述の様に、日本企業が海外での市場拡大を図るには英語によるインターネット、特にSNSの有効利用が肝要であることを学んだ。一方、ここで私が考えたのは逆の発想で、特定の国の言語を使いインターネットで販売の門戸を開くこともできるはず、というものである。欧州に行った時に私が感じることは、シングルバイトとはいいながら英語が通用しない国がかなり多いということだ。だから欧州の企業HPを見ると大抵の場合数ヶ国語で対応している。英語が「世界に通じる言葉」であるという認識は紛れもないことであるが、欧州でさえ英語でコミュニケーションできないユーザーが多数存在することを知らずに海外展開することは片手落ちだといえる。アジアでも同じ状況で、中国語をはじめ各国の言語による対応能力を他社に先駆けてつけていくことが、ITビジネスの鍵となるのではないだろうか。
 7)学び:LEGOユーザーは3,200万人いる。そのうち1割がWEBに自分の作品をあげている。そのうち仮に0.01%しか商品化できなくても3,000人も(バーチャルに)デザイナーがいることになる。高額なデザイナーを150人も雇うことを考えると、インターネットによるデザイン創生は著しくコストを下げることができ、それをしない理由がみあたらないくらい。
 8)気づき:この授業を通して毎回多様なゲストのお話をお聞きすると、「言われてみれば当たり前」だが「これまで気づかなかった真実」を教えられて驚くことの連続である。今回の「驚きポイント」のひとつは、このLEGO開発者数対比の話である。LEGOの様に、ピースはシンプルだが組み立てれば無限の作品を作り出せる商品にとって、アイディア原案の裾野を広げることは重要なポイントである。CUUSOOでその裾野を広げることができるが、N山会長が示している様に数字で説明されると確かに納得できる。インターネットを利用したユーザー発の商品開発アイディア収集がどれだけ有益かを改めて理解し衝撃を覚えた。
 9)学び:LEGO CUSSOはロイヤリティを1%を起案者に成功報酬として支払っている。インセンティブの種類は、実際にはお金を払うだけでなく、LEGO開発者と共同で仕事ができるなどさまざまな形を準備している。「お金が報酬であるべきでない」とすべてのビジネスを決め付けてしまうのはよくない。成功報酬としてのロイヤリティは大きなインセンティブ。ヒット商品を生み出せば、個人が数千万円のロイヤリティを得ることができる。しかし、基本となる考え方は、「自分をハッピーにさせることが他人をハッピーにさせたりする」ことが大事。
 10)気づき:N山会長がおっしゃる様に、全てにおいてダニエルピンクのモチベーション論が適用できるわけではなく、金銭的なインセンティブも無視してはいけないということは同感である。一方で、優れたアイディアを出してくれるユーザーを引き寄せるために金銭的インセンティブを柱にすることは出来ないのもこのケースでは現実である。授業中に紹介のあった多額のロイヤリティを手にするユーザーはCUUSOOの場合、極限られたユーザーであり、他の大多数は「薄謝」程度であろう。よって、金銭的インセンティブに頼らずにユーザーを引き付ける魅力を如何にアピールするか、がこのビジネスモデルを成功させる鍵ではないかと気づいた。アイディアを出すことに「ワクワクする」、商品化されることに「ドキドキする」感覚をより多くのユーザーに感じさせる工夫をすることが大切である。
 11)学び:ビジネスモデルを真似されたらどうするのか?:確かに真似をしている後続企業がたくさん出ているし、脅威も感じる。自社としては、①競争を通じてビジネス価値が高まることを利用する、②高く売り抜ける時に企業売却する、の2つの選択が考えられる。
 12)気づき:CUUSOOのビジネスモデルは、ものづくりの可能性を大きく広げるものである一方、大きくとらえればITビジネスのひとつである。インターネットに頼ったビジネスモデルをみるとき、サスティナブルな企業モデルの限界があると私は感じている。アイディア次第で素晴らしい新ビジネスモデルを、安価に素早く作り出すことができるITビジネスの領域は、まさにLEGOの世界と同じだ。発想さえあれば、今まで存在しなかったビジネスモデルを組み立て、世に出すことができる。しかし、ITを使ってより多くのユーザーとつながることを基本とする以上、その構造も真似されやすい。皮肉にもそれもLEGOと同じであり、最低限のスキルとリソースがあれば、類似ビジネスを展開する企業が出るのは時間の問題だ。N山会長がおっしゃっていた様に、確かに競合相手がいることによりそのビジネス領域が盛んになること(上記①)はポジティブな受け止め方であるが、結局最後は売りぬく(上記②)としか言いようがないことは、起業してサスティナブルな企業をつくることが如何に難しいことを示している。
 13)学び:ビジネスモデル特許で守れるか?:特許で保護したり、社員が情報漏えいしないようにしたりする動きがあるが、実際は有効だと思わない。知財は、もう成熟した商品ならば効果的だが、これから伸びる会社ならまず販売数を増やし、シェアを取ることを優先するべき。
 14)気づき:「特許は守ってくれない」と言い切るN山会長のことばは、インターネットビジネスにおける競争の激しさを物語っている。激しい競争に打ち勝つ強さを持ち、売り上げを伸ばせないなら、所詮競争力のあるビジネスモデルではないということだろう。
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いやあ、勉強になりますね。「MBAおじさん」さん、最終分も宜しくお願いします!

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