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リコヤン(MBAおじさん)とマーケティング

MBAおじさんのマーケティング⑬の巻

さて、下記は「マーケティング応用研究」最終講義のサマリーです。最終講義は、あの「K護野先生」の講義です。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑬⑭⑮
K大学K護野先生の講演
1.ビジネス・システムのイノベーション
 1)ビジネス・システムとは、顧客に価値を届けるために必要な諸活動を統括する能力と仕組みである。宅配で持ってくる商品が「売れ残りでないか?」という疑問があれば売れない。これは価値を届けられていない。これを統括するために企業がどう努力するか、が大切。
 2)イノベーションにはふたつある。ひとつめは、商品のイノベーション。これは華々しい成功、模倣が可能であり優位の持続時間が短い。ふたつめは事業システムのイノベーション。これは目立たないが持続性がある。模倣が難しい。
 3)何故模倣が難しいか:目立たないし、リバースエンジニアリングができない。松下幸之助がいるからナショナルショップの仕組みはできなかった。今のPANASONICにもつくれないシステムだったのだ。システム一つ一つをとると、実は当たり前のことなのである。しかし競争相手はできないのだ。
 4)たとえばキーエンスにインタビューしたとき、当たり前のことをたくさん話したが、経営者は、これは秘密が漏れると感じるほどのことだった。これがキーエンスの文化なのである。キーエンスは管理会社。電話も駄目。私語禁止。こういう仕組みの中で働く文化があり、これは真似できない。ライバルから、あそこは『特別な会社』と思われたら競争相手は真似しない。「普通の会社」になったら真似されるだけ。文化によって支えられている。
 5)京セラは、コモンテクノロジーしか持っていない。しかし競争優位性がある。この優位性は誰にも真似できない。
 6)洋服の青山には駐車場に車があまり止まっていない。来客数は少ない。しかし、来る人は「買う人」だけなのである。よって接客効率がいい。このモデルは真似できない。ほかのトータルで残すとダウンをしなければいけない。
2.ビジネス・システムの革命
 1)かつての勝利のシステムがうまく機能しなくなってきた。コカコーラは自動販売機で売り上げを伸ばしたが、オリジナル商品がない。だからコンビニエンスストアでの販売になったら売れるものがなくなった。
 2)コクヨは学校向けに様々な文房具を販売している。ところがアスクルが出てくると、全国最低価格で販売がはじまってから駄目になった。しかし、そのアスクルもYahooに売りに出てしまい、今は大塚の一人がちである。
 3)こうした、かつて仕組みで勝ってきた企業がうまくいかなくなっている。例えば家具屋:これまでは箱物収納家具だが、今は脚物家具が売れる。脚物を売るにはどうしたらいいか、それは引越しの時に売ればよい。実際はアートがエアコンを売っている。引越し会社は家具屋や電気屋がしらない情報を持っているからうまくいく。
 4)CCCの松田社長は大阪の空き地を使ってビデオレンタル屋を始めた。購入する品物は6000円で一泊300円で貸す。これを「金利」という見方をすると一晩5%で回していることになる。これは良い商売の様だがやり方をよく考えなければ儲からない。Tポイントカードには顧客の情報が全て入っている。固有名詞つき情報探知機。川重はオートバイのDVDを作って販売する。その販売先に顧客がいるから。
3.ビジネス・システムを作る
 1)顧客価値を大事にする。ミスタードーナツに入ってくる顧客は「名刺を持っていない女性客」なぜかというと、男性の目を気にせずにゆっくりくつろぎたい。「名刺を持っている人に入られない様工夫している。ガラス張りにして男性が入りにくい構造にしたり、女性だけが好きなものを並べたりする。
 2)Panasonicのアメリカタフブックは「ブルーカラーの為のPC」というコンセプトで売り出した。顧客を絞ることで価値を高めている。
 3)「ずっと働きたい」という人を雇わず「独立したい」という人を雇う仕組みをつくったツマガリ社は、ノウハウをすぐに覚える。
 4)ビジネス・システムの設計思想:伝統的な設計思想は規模の経済である。しかし、新しい設計思想は①バンドリング(いくつかのビジネスをたばねる) ②スピードの経済 ③組み合わせの経済 ④外部化
 5)バンドリングの例:物だけビジネスの限界がある。顧客の問題解決をする必要がある。GEはエンジンにセンサーを組み込み部品の状況を常にモニターし、到着時に部品を取替えできるようにすることにより売り上げを伸ばした。
 6)シスメックスは、全国の血液検査装置をモニターして最適値から外れたサービスマンを派遣する。
 7)三浦工業のボイラ屋の例:ボイラを必要とする理由はお湯が必要だから。プリベンティブメンテナンスをすればお湯が止まることないと顧客に伝え、そこで収益をあげる。
 8)ノーリツは、「故障前取替え」をうたっている。全国の3000人のサービスマンが点検し、故障を未然に予防している。
 9)スピードの経済:スピードそのものが顧客に価値を提供するビジネス。例えばアスクルやファルマ。
 10)売上高利益率を上げるのは難しい。しかし、投資売上高は挙げることができる。
4.利益/投資=利益/売上高 × 売上高/投資
 1)商品の切り替えコストの低減:C1000タケダなどはセブンイレブンで商品実験をおこない売れ筋を探した。
 2)すでに出現しつつかるアンチ:100円ショップのような驚きのある店舗、スローの楽しさ、店員の専門知識など。ジュンク堂には本が大好きな店員を置いている。
 3)ビジネス・システムの変革は難しい。企業文化を変えることは難しい。ネット時代のパラドクスがあり、ICTでは差別化できない。アマゾンはいまや配送会社である。これからは「旧商品新事業」である。
 4)一転突破全品展開:スタジオVやオゾックなど、全面的にビジネスモデルを変えるのではなく部分的に変化してうまくいったら伸ばす。
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いやあ、勉強になりますね。「MBAおじさん」さん、本当にありがとうございました!

MBAおじさんのマーケティング⑫の巻

今年もあと2日ですね!さて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑬⑭⑮
テーマ:イオンにおける「ネットスーパー」の取り組みについて
 1)中期経営戦略では①アジアシフト、②大都会シフト、③シニアシフト、④デジタルシフトを2020年に向けて打ち出している。
 2)電子マネーのWAONは一兆円を超えており国内最大。セブンイレブンが導入することを聞いて3ヶ月で立ち上げ。
 3)OtoOへの導入:オンラインツーオフラインでネットビジネスから如何に顧客を店舗ビジネスに引き込んでいくかが課題。楽天に出ているのは卸業者であり、店舗を持たない。顧客は小売業でモノを見るだけで楽天で買っていく。
 4)リアル店舗を持っていてもネットを持っていない場合は衰退していくリスクがある。これまではリアル店舗を買いまわっていた消費者が、あるひとつのネットスーパーで固定して購入する動きがある。
 5)最近は、素材を宅配するのではなく、「宅食」が延びている。回転すしやマクドナルドが配達する。NTTドコモがラディッシュボーヤを買収するなど、これまライバルと考えられなかった企業との競争をする必要がでてきた。
 6)ネットスーパーの問題は、オペレーションが大変。店舗での準備が大変。ネットは空軍である。これを陸軍とうまく組み合わせることが大事なのに、現在はそれぞれが別々に動いている。陸軍が指令を出して空軍を統括すればうまくいくが、ばらばらは駄目。イトーヨーカ堂はネットも店舗も来るお客さんは同じという風土を持って商売をしている。これが大事。ネットでの売り上げを先行指標として使い店舗でその後展開する。
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つづく

MBAおじさんのマーケティング⑪の巻

今日から10連休。と言っても、元旦以外は研究に没頭する予定です。さあ、頑張りますよ!

さて、今回は「マーケティング応用研究」の講義サマリーです。私は出席していないのですが、会社の大・大・大先輩で現在M1の「MBAおじさん」がサマリーを纏めてくれました。「MBAおじさん」さん、ありがとうございました!
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑬⑭⑮
1.ユーザーイノベーション論
 1)世の中には、メーカーが知る前に消費者が作り出した製品がある。例えば修正液や食器洗い機など。近年は大企業の経営者もこれを理解している。日本では拡大推計で470万人の消費者イノベーターが存在すると言われている。これは日本企業の係長クラスの数と同じ。
 2)医療機器でも様々なUIが起こっている。立てない人のための補助器具や、呼吸障害がある人のための低周波振動器など。なぜ、こうしたニッチなところにUIが起こるか、それは誰も開発しないから。
 3)ある特定の分野だけにUIがあるわけではなく、どの業界にでも起こりえる。ただ、国によって分野で差がある。イギリスでは消費財においてはメーカーが使っている額の144%もの支出をイノベーターが負担している。しかも消費者は特許を取るわけではなく周囲の人たちに知らせ広めている。
 4)ショッピングカートにエンジンを付けて乗り回すアイディアがある。多くの人はこれは単なる遊び、おもちゃ、にしか見えない。しかしスペインのメーカーはこのアイディアを使って折りたためる電動カートを開発した。これは、アイディアの本質を理解しているかどうか。
 5)食品卸の売り上げ営業利益率はわずか1%程度しかない。ここにクックパッドは斬り込み、消費者のニーズを取り込むことによって、利益率を20%まで伸ばしている。これまでの食品卸は、価格を下げてものを売り競争する。これに対して、クックパッドの場合は「デコカレーをつくりたい」と顧客に思わせることで定価でカレーを買わせる。消費者の知識をビジネスモデルに組み込む。
 6)クックパッドが成功したのは、料理研究家ではなく、一般の主婦が出したアイディアだから、見ている顧客もつくれると思うから。2000万人の中でだれか一人がイノベーションをしている。その人を捕まえることが大事。絶えず新しい人が出入りするコミュニティーにしなければ、『出がらし』のアイディアをつかむだけ。コミュニティーはお金ではなく「楽しい」と感じることがMotivationになっている。
2.リードユーザー論
 1)空母のメカニズムを研究すればブレーキのリードユーザー情報がわかる。洗濯を効率的にするには宇宙船の開発をしているところにリードユーザー情報があるはず。
 2)属性値が低くても、順番に知っている人を紹介してもらうピラミッディングのやり方をつかえばリードユーザーをみつけることができる。
 3)クラウドソーシング手法を使ってユーザーのアイディアから商品化したものは通常の商品の3倍もの売り上げを記録した。
 4)リードユーザー法はメーカーが起点で、個人を調査対象単位としている。
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つづく

MBAおじさんのマーケティング⑩の巻

メリクリ!今日は今から指導教官と打合せです!さてさて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑩⑪⑫
3.CUUSOO SYSTEM社 取締役会長 N山氏
テーマ:ユーザーのリクエストを集めて事業化
 1)学び:CUUSOOの事業モデルでは起点をユーザーに置き、ある商品を売り出す前にその商品のニーズ(予定販売数)を事前に把握してから商品開発をするので、メーカーとして在庫を持つ必要がない。事業展開のためのアイディアをWEB上で集め、それをサプライヤー側でコスト見積もりし、損益分岐点を越えるときだけ製品化する。
 2)気づき:インターネットの発達により、製品開発前に精度のよい需要予測情報を得ることができるようになり、CUUSOOの様なビジネスモデルは今後も増えると思われる。ただ、事の本質は「よりよいものを売る」ことである。「需要予測」が目的ではない。LEGOの事例などでも、顧客が欲しいと思うような魅力ある製品を考え出すことが肝であり、それがなければ需要予測を行っても意味がないのである。CUUSOOはこうした魅力アイディアを発掘することにもインターネットを活用しており、これまででは考え付かなかった様な斬新なものを生み出す可能性が高い。ものづくりのインプットであるアイディア想起と、アウトプットである製品販売のルートをインターネットを使うことによって著しく拡大できている。単なるIT企業ではなくものづくりを強化する仕組みとしても有効だと気づいた。
 3)学び:LEGOしんかい6500モデルの事例:あるユーザー提案した「しんかい」のモデルを1000台販売する約束をとりつけ、実際に販売したところヒットした。その後、海外向けに同じ予約注文型を売り出したが、その際はFBやツイッターなどSNSを使い飛躍的に数字を伸ばした。さらに、英語にした瞬間に取り扱い数が爆発的に伸びる。
 4)気づき:ネット販売によるビジネスが普及しはじめてから久しいが、日本のB to Cネット販売で、世界に眼を向けている企業は限定的だろう。日本でも売れる商品には世界に通用する素質を備えている可能性を持ち、市場を簡単に拡大できるインターネットビジネスのプラットフォームを使えば「しんかい」の例の様に販売数を劇的に伸ばすことができるはずだ。それが普及していない理由は、英語サイトの構築とメンテナンス、英語による顧客対応能力の限界などが考えられるが、N山会長がおっしゃっていた様に「シンプルな」英語表現などで対応することでハードルを下げて導入を考えることができるだろう。また、物流や関税の問題も考える必要がある。いいものを作って、インターネットで顧客と結びつけ、需要を喚起することは可能だが、実際に海外にものを届けるためには国際物流の仕組みをよく考える必要があるだろう、と気づいた。
 5)学び:15年間、日本で展開をしたあとLEGOマイクラフトで会員数が増えた。そのとき伸びたのが海外のユーザーであった。この背景は、SNSにはシングルバイト(英語等)言語が合うことがある。インドネシアは世界一のFB普及率であり、利用者は英語で使っている。現在のビジネスにおいて「英語が強い」理由は、富裕層が使う、からではなく、FBを使って取引が多いからである。
 6)気づき:上述の様に、日本企業が海外での市場拡大を図るには英語によるインターネット、特にSNSの有効利用が肝要であることを学んだ。一方、ここで私が考えたのは逆の発想で、特定の国の言語を使いインターネットで販売の門戸を開くこともできるはず、というものである。欧州に行った時に私が感じることは、シングルバイトとはいいながら英語が通用しない国がかなり多いということだ。だから欧州の企業HPを見ると大抵の場合数ヶ国語で対応している。英語が「世界に通じる言葉」であるという認識は紛れもないことであるが、欧州でさえ英語でコミュニケーションできないユーザーが多数存在することを知らずに海外展開することは片手落ちだといえる。アジアでも同じ状況で、中国語をはじめ各国の言語による対応能力を他社に先駆けてつけていくことが、ITビジネスの鍵となるのではないだろうか。
 7)学び:LEGOユーザーは3,200万人いる。そのうち1割がWEBに自分の作品をあげている。そのうち仮に0.01%しか商品化できなくても3,000人も(バーチャルに)デザイナーがいることになる。高額なデザイナーを150人も雇うことを考えると、インターネットによるデザイン創生は著しくコストを下げることができ、それをしない理由がみあたらないくらい。
 8)気づき:この授業を通して毎回多様なゲストのお話をお聞きすると、「言われてみれば当たり前」だが「これまで気づかなかった真実」を教えられて驚くことの連続である。今回の「驚きポイント」のひとつは、このLEGO開発者数対比の話である。LEGOの様に、ピースはシンプルだが組み立てれば無限の作品を作り出せる商品にとって、アイディア原案の裾野を広げることは重要なポイントである。CUUSOOでその裾野を広げることができるが、N山会長が示している様に数字で説明されると確かに納得できる。インターネットを利用したユーザー発の商品開発アイディア収集がどれだけ有益かを改めて理解し衝撃を覚えた。
 9)学び:LEGO CUSSOはロイヤリティを1%を起案者に成功報酬として支払っている。インセンティブの種類は、実際にはお金を払うだけでなく、LEGO開発者と共同で仕事ができるなどさまざまな形を準備している。「お金が報酬であるべきでない」とすべてのビジネスを決め付けてしまうのはよくない。成功報酬としてのロイヤリティは大きなインセンティブ。ヒット商品を生み出せば、個人が数千万円のロイヤリティを得ることができる。しかし、基本となる考え方は、「自分をハッピーにさせることが他人をハッピーにさせたりする」ことが大事。
 10)気づき:N山会長がおっしゃる様に、全てにおいてダニエルピンクのモチベーション論が適用できるわけではなく、金銭的なインセンティブも無視してはいけないということは同感である。一方で、優れたアイディアを出してくれるユーザーを引き寄せるために金銭的インセンティブを柱にすることは出来ないのもこのケースでは現実である。授業中に紹介のあった多額のロイヤリティを手にするユーザーはCUUSOOの場合、極限られたユーザーであり、他の大多数は「薄謝」程度であろう。よって、金銭的インセンティブに頼らずにユーザーを引き付ける魅力を如何にアピールするか、がこのビジネスモデルを成功させる鍵ではないかと気づいた。アイディアを出すことに「ワクワクする」、商品化されることに「ドキドキする」感覚をより多くのユーザーに感じさせる工夫をすることが大切である。
 11)学び:ビジネスモデルを真似されたらどうするのか?:確かに真似をしている後続企業がたくさん出ているし、脅威も感じる。自社としては、①競争を通じてビジネス価値が高まることを利用する、②高く売り抜ける時に企業売却する、の2つの選択が考えられる。
 12)気づき:CUUSOOのビジネスモデルは、ものづくりの可能性を大きく広げるものである一方、大きくとらえればITビジネスのひとつである。インターネットに頼ったビジネスモデルをみるとき、サスティナブルな企業モデルの限界があると私は感じている。アイディア次第で素晴らしい新ビジネスモデルを、安価に素早く作り出すことができるITビジネスの領域は、まさにLEGOの世界と同じだ。発想さえあれば、今まで存在しなかったビジネスモデルを組み立て、世に出すことができる。しかし、ITを使ってより多くのユーザーとつながることを基本とする以上、その構造も真似されやすい。皮肉にもそれもLEGOと同じであり、最低限のスキルとリソースがあれば、類似ビジネスを展開する企業が出るのは時間の問題だ。N山会長がおっしゃっていた様に、確かに競合相手がいることによりそのビジネス領域が盛んになること(上記①)はポジティブな受け止め方であるが、結局最後は売りぬく(上記②)としか言いようがないことは、起業してサスティナブルな企業をつくることが如何に難しいことを示している。
 13)学び:ビジネスモデル特許で守れるか?:特許で保護したり、社員が情報漏えいしないようにしたりする動きがあるが、実際は有効だと思わない。知財は、もう成熟した商品ならば効果的だが、これから伸びる会社ならまず販売数を増やし、シェアを取ることを優先するべき。
 14)気づき:「特許は守ってくれない」と言い切るN山会長のことばは、インターネットビジネスにおける競争の激しさを物語っている。激しい競争に打ち勝つ強さを持ち、売り上げを伸ばせないなら、所詮競争力のあるビジネスモデルではないということだろう。
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いやあ、勉強になりますね。「MBAおじさん」さん、最終分も宜しくお願いします!

MBAおじさんのマーケティング⑨の巻

今年もあと10日ですね!さて、今回は「マーケティング応用研究」の講義サマリーです。私は出席していないのですが、会社の大・大・大先輩で現在M1の「MBAおじさん」がサマリーを纏めてくれました。「MBAおじさん」さん、ありがとうございました!
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑩⑪⑫
1.競争的共存とユーザー・イノベーション
 1)学び:食品の商品ライフサイクルを見ると、「忙しい」ハイテク製品の新製品戦略に似てきている。例えばカルビーのポテトチップは、新商品を次々出しながらも定番を継続的に売っている。様々な新フレーバーを出す「高度な自転車操業」を実施することで商品棚を常に保ちながら、実は定番商品をコンスタントに売っている。ものあまりの時代ではこの「高度な自転車操業」をすることにより消費者の眼をひきつけながら定番を売っていく戦略が売れる。
 2)気づき:市場で次々と新たに出るブランドが何故企画されているか、その背景を初めて知り小売ビジネスの複雑さを改めて理解した。商品を売るとき、単純に目の前のターゲットだけを負うのではなく、ブランドの組み合わせにより将棋の駒を動かす様に最後に勝つ様な大局的視点を持つことが、マーケティングにおいて重要であると気づいた。
 3)学び:これまでのPBは、売れるものを組み合わせて新規商品をつくっていた。しかし、最近のPBはどのメーカーでも売っていない様な要素を盛り込んでいるものがある。今のPBは消費者にとって「新しい価値」を届けるものでないと売れない。
 4)気づき:ここ最近、PBを使った製品戦略が取り上げられているが、小売業のマーケティングにおいては常にその先を見据える必要があることに気づいた。部外者の視点でみるとPBの普及によってメーカーの優位性がなくなってしまうのではないかと想像していたが、PBとしての価値をあげるには、メーカーの商品開発力、技術が不可欠である。市場開発や販売促進を小売業に任せ、メーカーは自らの強みを生かすことに専念できる機会、とも考えることができる。
 5)学び:情報流通の推移をみると、消費者が処理できる情報量に対し選択可能情報量は2002年頃から15倍以上になった。つまり「情報あまり」の時代に突入している。しかし「情報あまり」の状態になっていることに人々が気づいたのは最近である。その時代のなかで、企業は消費者とどうむきあうか、を考える必要がある。
 6)気づき:15倍という数値は衝撃的。IT革命が目の前のライブで起こっているこの時代に、マーケティングを学び、考える、ということは大きな意味があることに気づかされた。単純にコンテンツを工夫するだけでは駄目で、顧客とどの様に関係性を持つか、複雑性を持たせるか、深く考える必要がある。今後接する様々な企業のマーケティング活動を注意深く観察したい。
2.カルビー ジャガビーマーケティング Y村部長
 1)学び:商品パッケージに「声をおきかせください」と表記をしたところ、消費者からかなりの数の電話が入った。皮を残してほしいなど希望を聞くことができた。
 2)気づき:多くの食品には「お客様窓口」が記載されている。この表現を変化させるだけでも、企業が顧客の声に耳を傾けているというメッセージを伝えることができると気づいた。企業は、顧客に対して様々な方法で広く聞く耳を持っていることを、はっきり示すべきである。
 3)学び:「ブランド」のエッセンス:カルビーでも製品コンテンツの大部分は同じでも、違うブランドで新製品として売り出すこともある。しかし、本当にその「もの」が同じかどうかはマーケティングにおいて論議の対象ではない。消費者がその商品をどう受け止めるかによって「ブランド」が規定される。
 4)気づき:「だからマーケティング・ブランディングが必要なのだ」という事の本質に気づいた。大変重要なポイントに触れることができたと思う。ただし、ブランディングにより消費者の目線を引き付けることばかりに偏りすぎることはあってはならない。消費者や市場も馬鹿ではない。新たな技術、品質改良、性能改善など、我々は本来やるべき仕事を忘れずに商品を作り、そこに「スマートな」マーケティングやブランディングの手法を使わなければならない。
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つづく

MBAおじさんのマーケティング⑧の巻

さあ、今日中に指導教官へ進捗報告をメールしなければさて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑦⑧⑨
◎『マーケティング思考の可能性』をめぐって 流通科学大学 I井教授
1.「あとがき」から
 1)組織が形成される話:ゴミをひろう係が生まれると、みるみるうちに組織が生まれてしまう。自然にごみを見つけた人がごみを拾っていた世界が失われ、規律や責任などが精緻化される「近代」に進んでいっている。それとともに大事なことが失われていく。
 2)実在主義にしばられてはいけない。イデオロギーを持つということは違った世界を作り出していく、ということ。プラグマティズムは、生活に役に立つか立たないかで切り分ける。
2.研究の概要
 1)市場を創造する商人像として大和ハウス店舗開発事業がある。1976年に流通店舗事業部を作り選任営業担当を置いたのち独占的に利益10%以上上げ続けている。またユニクロは店舗開発をすべてここにアウトソースしていた。何もないところに新たな供給者を育て、市場を育てる。商人の才覚によって物が売れるようになる。
 2)理論モデルは必ず誤る。物事の実用性ないしは限られた有限の世界を前提におくから。それが理論モデルの宿命でもある。本来現実において、あふれるほど豊かで、実際に現実を動かしているはずの創意工夫と実践を、モデルは「理論の檻の中」に閉じ込めてしまう。理論のない実践は揺れ動くから、理論を学ぶことが必要。もうひとつは否定する対象としての理論。社会の理論を崩すことが新たなビジネスを生む。
3.マーケティングの「知」の世界、その変遷
 1)『マーケティング・ハート』:実践し熱き思いで、人々の創意工夫の実践を理論の檻の中に閉じ込めてはいけない。
4.気づき:MBAコースで学んで8ヶ月経ち、多くの理論に触れる日々をすごしていると、すべてのことがらに関して「論」で説明しなければいけないという強迫観念に似た感覚が自らの中に生まれていることを感じることがある。如何に理論で説明するか、を求めることが研究に通ずる、と知らない間に意識が作られているのかもしれない。しかし、実践の大切さ、現場で真実をみつける真摯さが大事であり、特に製造業につとめるものは忘れてはいけないと気づいた。
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いやあ、勉強になりますね。「MBAおじさん」さん、来週分も宜しくお願いします!

MBAおじさんのマーケティング⑦の巻

年末に向けて仕事も研究も盛り上がってきました。とりあえず、一つ一つ仕上げていくしかありませんねさて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑦⑧⑨
◎BtoB企業の経営課題 慶應義塾大学 Y田教授
テーマ:日本企業に求められるマーケティングの考え方
2.マーケティングの機能不全
 1)学び:優れたマーケティング戦略とは「内的妥当性」と「外的妥当性」がある。特に外的妥当性、つまり環境に戦略を適合させることが大事である。こうした作業を進める必要がある。一部の企業ではこのやり方で間違っている。たとえば対新興国戦略では「成長に乗る」手法をとっていくことが大事。買いたいと思った人に「広く」提供すること、製品ラインをローからハイまでカバーする、製造ラインの拡大など、機会損失を無くすことが必要である。
 2)気づき:しばしば企業の戦略で語られる言葉に「集中と戦略」がある。しかし何にでもこれを適用できるわけではない。マーケティングにおいても、その対象に応じた戦略が必要である。ある特定の購買層に絞ることが万能なわけではなく、特に新興国などでは広くマーケティングを行い様々な層に売れるものを売ることが必要であることに気づいた。
 3)学び:ドラッカーは「企業の成長には、イノベーションとマーケティングが不可欠である。イノベーションは美しい言葉であり、やれといわれなくてもだれでもやる。マーケティングは卑しいものなので、誰もやらない。」と述べている。社内にマーケティングの考え方を根付かす様、企業経営者が認識し行動しなかればいけない。
 4)気づき:このことも今回深く共感を覚えた言葉のひとつである。メーカーではものづくりを大事にし、品質の高いものをつくっていくことが重要であるという意識が高いが、一方でマーケティングに対する理解と認識レベルが低いと感じる。これからの国際競争に勝って行くためにも、経営者自らがマーケティングの重要性を広く社内に知らしめ、具体的な組織改革を行うなどアクションをとる必要があると改めて気づいた。
 5)学び:『Integrationの欠落』『戦略策定におけるInertia』が日本の戦力を下げている。その理由は組織構造にも原因がある。近年のマーケティング組織は、事業部ごとに営業部門が分割して所属してしまっている。このため、一貫性を確保しにくい組織構造になっている。
 6)気づき:本年度より当社でも全社横断機能としての「マーケティング本部」が設立された。これまで各カンパニー個別で活動していたマーケティング行動に横串をさし、一貫性を持たせ機能を強化することを目的としている。一方で、既存事業所ごとの組織とのリソース共用を正しく行わないと問題が起こることが懸念されるので、責任をはっきりさせて組織改革を行うことが必要だと考える。
 7)学び:サムスンは三井物産のやりかたを真似し、地域専門家制度の戦略をとっている。先を見ながら、必要とされる地域ごとに専門家を育成している。サムスン電子はマーケティングに巨額の投資をしてきた。その結果、ブランド価値が大きく上がっている。
 8)気づき:マーケティングにおける「地域専門制度」と「グローバル戦略」のバランスが大事であることに気づいた。世界的に一貫したブランディングと、地域ごとの特殊性対応をどうバランスをとっていくか、が課題だと考える。
 9)学び:Pull戦略とPush戦略:Pull戦略は規模の経済がきく。Pull戦略は売上規模が大きくなると急に利益が伸びる。Push戦略は売上規模と利益はリニア。たとえば、米国や中国市場では人海戦術で営業するPush戦略は使えず、Pull型になる。日本企業はPush型が強い。
 10)気づき:今までPull型がどのような市場にも一様に強さを発揮できると思い込んでいたが、売上規模によって強み弱みがあることに気づいた。正しい戦略選択が必要である。
 11)学び:プロダクトライフサイクルに合わせて戦略を変えることも、環境に合わせることのひとつである。導入期の新製品で日本製品は売上を伸ばすが、成長期のドライバーは異なる。この違いに気づかずに進み、品質などだけで勝負し続けると新興国の製品に負けてしまう。
 12)気づき:イノベーションのジレンマで示された罠に常に注意してマーケティングを行う必要がある。この為には市場における自社製品のWTPを常に感じ取るセンスが必要だと気づいた。
 13)学び:価格が決まっているときは、同質化戦略で市場ニーズを半分取ることがよい。価格が自由に決められる場合は、相手より絶対コストリーダーシップが取れる企業は価格で勝負するが、そうでなければ立地で勝負することになる。日本企業は差別化が好きだが、松下電器はSONYの技術を使って、同質化でニーズを取ってきた。差別化一辺倒が正しいとは限らない。
 14)気づき:差別化一辺倒では駄目だという見方は大変新鮮だ。競争に打ち勝つためにはもう一段上空へ上がり、差別化だけでなく大きな枠組みで勝負できる戦略立案が必要だと気づいた。
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つづく

MBAおじさんのマーケティング⑥の巻

今回は「マーケティング応用研究」の講義サマリーです。
私は出席していないのですが、会社の大・大・大先輩で現在M1の「MBAおじさん」がサマリーを纏めてくれました。
「MBAおじさん」さん、ありがとうございました!
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土曜3~5限:マーケティング応用研究⑦⑧⑨
◎BtoB企業の経営課題 慶應義塾大学 Y田教授
テーマ:日本企業に求められるマーケティングの考え方
1.日本企業の経営課題
 1)学び:まず「日本企業の成長を、技術に過剰にゆだねてよいのか」という疑問から考える必要がある。ドラッカーが言うようにイノベーションだけでは企業は成長できない。企業の成長はバランスがとられていなければいけない。要素技術は一度断絶すると途絶える。
 2)気づき:技術過剰からの脱却とマーケティング戦略力の獲得が大切であることに改めて気づかされた。これこそ私がMBAコースで学ぼうと志願した根底に通じるものである。私の勤務するメーカーをはじめとし、日本の製造業は低迷を続けている。それをなんとかしなかればならないという思いを持つ人々はいるが、多くが「兎に角技術である」という考えにとらわれてしまっている様感じる。もちろん技術の伝承は大事であるが、どの様な戦略を取り、どこに進むのか、マネジメントと技術の両輪がなければ製造業の明日はないと感じている。そのことをドラッカーの名言を参照しながら冒頭にお話頂けたことは大変共感を持てた。
 3)学び:日本企業の売上高営業利益率は右肩下がりになっている。かつ、その中でも金属製品製造業や生産用機械製造などは更に状況が悪い。しかし日米欧メーカーで利益率を比較したとき、日本の企業は1桁だが、欧米では10%以上になる。日本でもオンリーワン技術があり優れた企業があるが、それでも利益率はわずか5%程度しか出せていない。世界を席巻するような技術を持つ日本企業はまだまだある。特許取得も日本では優位性を保っている。技術、パテントの蓄積もある。しかし、利益が上がっていない。
 4)気づき:MBAクラスの他業種の方々と話すとき、利益率の標準値に関してそれぞれに大きな違いがあることを感じていたが、講義をお聞きして再度国際的な見地で企業業績をとらえなければいけないことに改めて気づいた。私の企業が属する業界の利益率平均を基準として満足していては駄目で、広く世界のライバルとの比較をしなければ本当の国際競争力はつかない。
 5)学び:クラウド参入企業の時価総額を比較すると、日本企業の売上は欧米企業と拮抗していることがわかるが、時価総額が全く違う。欧米の時価総額が大きい企業が、日本の安い小さな企業を買収している。利益を軽視すると、買収される状態に陥ることを忘れてはならない。
 6)気づき:企業の時価総額に関しても常に意識を向けなければいけないことに気づかされた。為替の状況が変化し、日本企業の相対的時価総額が国際的に下がったとき、買収されるリスクが増す。上述の技術とマーケティング戦略の両輪を使い、企業価値を維持する必要がある。
 7)学び:日本のおよそ7割がBtoBの取引である。しかし、日本のB2B企業のマーケティングは世界に比べて『2周遅れ』である。例えば日本企業のプライシングは大変弱い。多くの日本企業でのプライシングは、原価計算をベースにしたものである。しかし、顧客がいくらで買うかの『WTP』を考えてプライシングできていない。プライシングを自社で組み立てられなくなったらビジネスはできない。「安い」商品をうたっている吉野家は「コスト競争をする」と企業理念をつくっているわけで、これでは成長する企業として成り立たない。
 8)気づき:自らプライシングできない様ではビジネスとして駄目、というY田先生の言葉は至極当然のことであるが、自らも含めこの基本的な真実を認識せずにビジネスを行っているBtoB企業が多いことに気づかされたことは衝撃的である。当社のビジネスの多くは入札を経て受注を獲得する必要がある。他社と価格以外で差別化を図り競争優位性を保つことが難しい、と思い込んでいるが、その意識にはまりこんでいてはビジネスを拡大することはもちろん、目の前の商売も立ち行かなくなってしまうことに改めて気づかされた。BtoBだから、受注産業だから、過当競争だから、と言い訳をせず、プライシングができる戦略を正しくとり、本来あるべきビジネスモデルを求めなければいけないと感じる。(そのためにMBAで学びを深めていかなければならない)
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つづく

MBAおじさんのマーケティング⑤の巻

昨日&今日と真冬のような寒さですね...って、もう冬ですがさてさて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究④⑤⑥
◎ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件 一橋大学 K木教授
 1)学び:ストーリーをつくり、ストーリーを語ることが経営者には必要である。
  ①戦略は「組み合わせ」ではなく「順列」で考える。ピッチャーの攻め方として、球種の繰り出す順番がポイントである理屈と同じ。
  ②構成要素のつながりの理解がないまま個別の「ベスト・プラクティス」を取り入れ、事後的にストーリーを再構築しようとすると、本来やるべきことがわからずに戦略展開を行う過ちをしてしまう。フォードはトヨタのまねをしてJITを入れたが、ITを入れすぎた。
  ③ストーリーを作り出しているのは「個人」である。戦略ストーリーの要諦は「分業と分析」。自分で戦略をつくるとき「なぜ分析をするのか?」を問う。単純に強みと弱みを並べたところから戦略を作り出すことは意味がない。つまり「SWOTTER」になってはいけない。
  ④戦略ストーリーとはシンセシス(綜合)であり、ある特定の部署が企業のなかで戦略を担っているのではない。経営人材は商売全体丸ごとを動かし成果を出すもの。
 2)気づき:16年間の米国駐在を通じ、欧米企業の一流のマネージャは「ストーリー」を語る能力を持っている、と私は考える様になった。米人同僚に「自分はストーリーテラーになりたい。」と私が半ば冗談まじりで話すことがあったが、大変ウケがよかったことを覚えている。おそらく、欧米人にはストーリーを大切にすることが身にしみてわかっているのではないかと感じる。その源泉は子供のころからディベートをすることが多い環境があるのだろう。ただ、楠木先生がおっしゃったように、ディベートはテクニックなのであり、それにこだわっては本末転倒であるので、その点には気をつける必要があると気づいた。
 3)学び:企業の人材における「センス」と「スキル」について意味の違いをよく理解して区別することが必要である。経営者にはセンスが必要。
  ①担当者に必要な「スキル」は、専門分野や標準的な能力。しかし、経営者には、商売全体を丸ごと動かす「センス」が必要だが、育てられない。スキルへの傾斜が問題。「これからはxxのスキルが必要」というのはおかしい。センスとスキルは違う。
  ②だからセンスを見極める。経営は、100人に1人のセンスを持っている人をみつけること。センスは「他動詞」ではなく、「自動詞」。経営人材をどうやってつくるかは難しいが、会社のなかに土壌をつくること。
  ③センスを殺す悪循環:センスとスキルを区別しないと、スキルばかり注目され担当者が量産され、スキルの総合点が高い人が評価され、「代表取締役担当者」がでてくる。
 4)気づき:K木先生のお話をお聞きして振り返ってみると、自分の経験においてセンスとスキルを区別せずに組織運営や人材育成をしていることが確かに多いということがわかった。どちらも目に見えないことであるから、日常業務において自ら意識していなければ混同して間違いを起こすことになる。明確な意識付けをもっておくことが重要だということに気づいた。また、自分自身のことを考えたとき、センスを磨くことも意識する必要があると感じる。
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いやあ、勉強になりますね。「MBAおじさん」さん、来週分も宜しくお願いします!

MBAおじさんのマーケティング④の巻

かなり寒くなってきましたね!さて、下記は先週の「マーケティング応用研究」のつづきです。
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土曜3~5限:マーケティング応用研究④⑤⑥
◎消費者行動とマーケティング戦略 慶応義塾大学 S水先生
5.消費者の意思決定プロセスについて
 1)学び:どう買うか、商品の情報をどの様に取得するか、などプロセスに関するデータも細分化してとらえる必要がある。
  ①コミットメントを高める消費者の意思決定プロセス:動機があって買うか、論理的に買うか、あるいは感情的に買うか、あるいはその両方か。感情的に買う場合がブランドのスイッチが入る。こだわりがある消費者は、「コミットメント」つまりそのブランドとの関係性を論理的に考えている傾向がある。
  ②最初は流行のファッションでお客さんをつかまえ、そのあと消費者が論理的にその商品を好きになることが、有効な戦略。
  ③中心的ルートの生活者は、様々なルートで情報を取り入れている、「聞き耳層」。これに対し周辺的ルートの生活者は、メディアを使わず店頭で品物を決める、「死神層」。
  ④インターネットを使い自ら情報発信する消費者が出てきている。使った消費者がその商品のことを話題にして話を広める。日本の研究者が特に研究しているキーワードは「インフルエンサー」。海外での考え方はリードユーザー論など。
 2)気づき:Facebook等SNSにおいて企業が様々な企画を行い、直接消費者と交流する動きがある。こうした動きは単なる知名度アップのための告知が主な目的だろうと考えていたが、その奥には「消費者に、その商品を世に広める拡声器となってもらう」ことがあると気づいた。話題性のあるポジティブな企画は、簡単に消費者から消費者に拡散し、爆発的な数で情報が伝わり、しかもコストがかからない。SNSによる動きを今後も注目したい。
6.意思決定プロセスのモデル
 1)学び:モデル化することにより消費者行動における意思決定がどの順番でどう行われているか理解できる。いくつかの種類のモデルが考案されている。
  ①AISAS:電通が開発したメディア理論 Attention →Interest →Search →Action → Shareのフローである。最後にシェアして広めてもらわなければいけない。このフローにしたがって分析すると、最初に「認知・関心を持って購買した人」の方がインフルエンサーになりやすい。
  ②SIPS: Sympathize(共感)→Identify(確認)→Participate(参加)→Share and Spread(共有する・拡散する)
  ③これまで、消費者の意思決定プロセスを理解するには、「道筋」を探ればよかった。しかし、ネットの発達によって、消費者が商品の情報を持ったまま留めておくのではなく、他人や外部に対して拡散させ影響を及ぼしていくかどうかが重要なポイントとなっている。
 2)気づき:紹介されたモデルをみると、どちらも情報拡散が鍵になっていることがわかる。この裏には、人間は「自分が手に入れた良質の情報を他人にしゃべりたがる」という習性があることも関係しているはず。マーケティングや経営において、行動心理学等人間の習性に関する理解も大切であることに改めて気づいた。
7.消費者による情報拡散
 1)学び:今までは企業から出した情報が消費者に戻ってくるようなイメージだったが、これからは、購買に至る行動、購買後の行動、購買の場での行動の各行動がぐるぐる回るイメージになる。どこからスタートするかわからない。この「ぐるぐる」を常にまわしていくこと、これが大事である。これが止まると商品の衰退期になってしまう。
  ①アサヒのノンアルコールビールの例では、聞き耳消費者が飲んだ後、他の人と話したという行動をとった。感度が高い人が飲んで話すと、その話が話題の起点になる。ブログの追跡調査したところ、味についての評価や利用シーンに関することが語られたことが多いことがわかった。
  ②ブログやSNSの調査をしたとき、フォロワー数が多いからといって必ずしもよいわけではない。ブログで高評価を示していることが多い商品は売れる傾向がある。聞き耳は、TPOに関する情報も発信している。よって、商品開発に使える情報になる。
  ③最近では、WEBの回遊データをモニタリングして消費者行動を把握できる仕組みができつつある。WEBを見てから買った人より、買ってからWEBを見た人の方が買った数が多くなる。よってロイヤリティを取るWEBの作り方をしたほうがいいという考え方がある。
 2)気づき:ブログやSNSを使った消費者による情報拡散が現代のマーケティング活動には大変重要であることを改めて認識したが、その一方でこうしたルートで広まる情報の品質管理が大きな問題になると考える。マスメディアと異なり、SNSで発信される情報を企業側がコントロールすることはほぼ不可能に近い。悪意を持った情報を発信される危険性をどうやって減らすか、発信された場合どう対応するか、そのコストをどうするか、これらが今後の企業でも課題となっていくだろう。
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つづく

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